電動コーヒーミル自動停止装置の製作

2010年7月25日

最近はエスプレッソにはまってる。ブラジルのコーヒー豆を深めに焙煎してエスプレッソマシンで作る。目が覚めるような刺激的な強い香りのする焙煎したての豆で作るエスプレッソを飲んだら、外でエスプレッソを飲む気にならなくなる。アイスラテもうまい。

コーヒー豆は一度挽いてしまうと香りが抜けるのが速いので、その都度コーヒーミルで挽くことになる。エスプレッソ用に細いパウダー状に挽けるコーヒーミルの種類は限られていて、こちらのサイトでお勧めのイタリアのランチリオ社製のコーヒーミルを買った。価格はエスプレッソマシンよりはるかに高い。

コーヒーミルの粗さの設定をエスプレッソ用にすると細かいパウダー状にコーヒーが挽ける。だが、ミルから少しづつ粉が出てきて時間がかかりすぎる。イタリア製だけあってコーヒーミルそのものはしっかりエスプレッソ用に豆を挽いてくれるのだが、挽いている間ずっとスイッチを押し続けなければならない。粗めにドリップ用に挽くときはあまり時間はかからないが、エスプレッソ用に挽くときは永遠にスイッチを押し続けなければならないような気になる。

他のメーカーのミルはタイマーをセットしておけばその時間だけモーターが回って豆を挽いてくれる。が、そんな単純なタイマーをこのイタリア製電動コーヒーミルにつけるのでは芸がない。そのとき飲む量だけホッパーに豆を入れて全部挽いたら自動で停止するようにすれば、世界初?自動停止機能付きエスプレッソ用コーヒーミルになる。

普通に考えれば、豆を挽いているときはモーターの負荷が重くなるので電源に流れる電流も大きくなる。しかし、テスターでAC側の交流電流を計ったが豆を全部挽き終わってミルが空回りしている状態になっても電流はさっぱり下がらない。何回実験してもおなじだ。おかげで大切な豆を沢山挽いてしまった。

ミルのカバーを外して中を見ると、なんと、大きなコンデンサーがついてるではないか。単相コンデンサモーターを使っている。これでは、電流の変化でモーターの空回りを検出するのはまず無理である。というのは、モーターの負荷変動は力率の変化になり、見掛け上の電流の変化はあまりない。

消費電力の計測は正確にやろうとすると瞬時電力を一定期間ごとに積分することになる。今回の場合は電流も電圧
もほとんど変動しないので、AC電圧とAC電流の位相差の変動をチェックしてモーターが空回りしているか、まだ豆を挽いている状態かを判断するようにした。


ソースコードを見ていただければわかると思うが、設定モードでモーターが空回りの状態でその時の電圧と電流の位相差を計測しEEPROMに記憶する。自動モードでは位相差が設定モードで記憶した空回りのときの位相差に近づくと電源をOFFにする。一度設定モードで空回りの状態を記憶すると、あとはずっと自動モードで使える。電源電圧や温度変化など大きな環境の変化があると設定をやり直す必要があるかもしれない。
ついでにタイマーモードと手動モードも付けておいたが、使う機会がない。いつも自動モードで使っている。

世界初?全自動エスプレッソ用コーヒーミルの完成だ\(^o^)/


・モード設定スイッチは1回路12接点のロータリースイッチ。各接点間に470オームの抵抗を接続して接点1をグランド、接点12を+5Vに接続し分圧された電圧値をPICのAN2入力でアナログ電圧を読み込んで、自動、手動、タイマー、設定の各モードを決める。
・回路図中のJP3はPICのプログラマー用で通常は1-2,3-4,5-6,7-8,9-10はショートプラグでジャンパする。
・電流トランスデューサはこちら
・回路図にはないがリレー接点には接点保護用のスパークキラーを入れる。
・必要に応じてAC側にノイズフィルターを入れること。拙宅では掃除機を使っているときにミルをスタートすると、掃除機をオフにするまでミルが止まらない。

・コーヒーの「おいしい淹れ方
・オブジェクトコードや基板の頒布等は行っておりません。
・このページの回路図やソフトウェアは個人での利用は自由です。
・回路図やソフトウェア等を利用して製作されて問題が発生しても当方は責任を負いかねます。自己責任でお願いします。



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