中波ビーコン受信機製作
中
波ビーコンならAMラジオと回路は似たようなものなので簡単にできるに違いないと思って設計をはじめたら、完全にはまってしまった。ブレッドボード、ロ
ジックアナライザーを買い込むなど、とんでもない出費だ。PICOの黒いケースの右側がPICマイコンのキット、右上がガーミンと光電のGPSエンジン。
テーブルの上はこの状態よりもっとケーブルだらけのまま3週間くらい続いた。
ブ
レッドボード上での試作が3週間くらい続いて、やっと中波で送られてくる200ボーの信号を4800ボーに変換できるようになった。オシロの上側がプロト
コルコンバーターの入力で下側が出力。
200ボーの5ミリセカンド最小パルス幅の信号が24倍のスピードに変換されて出てくる様子がよく分かる。
ブ
レッドボード上の試作で回路が決定できたらいよいよプリント板パターンの設計である。単層基板を使うのでジャンパがあちこちに飛ぶ。パターン、部品、ジャ
ンパがちゃんと区別できるようにそれぞれ色分けをする。作っている最中に何度も”アマチュアなんだからもっと簡単にやれば”ともう一人の自分がつぶやいて
いた。
悪魔のささやきに負けず、焼き付け、エッチングをやって基板ができあがった。パターンを設計しているときは部品を狭い平
面に詰め込むために苦労したのに、出来上がってみるとあちこち隙間だらけである。
メーカのエンジニアはどうやっているのだろうか?
さて、つぎはアンテナである。試作の段階ではバーアンテナ1本だったが、なにせバー
アンテナには鋭い指向性がある。車に乗せて移動するのに交差点を曲がったとたんに使えなくなってしまうのではたまらない。サンルーフから手を出して回すの
もカッコ悪い。
ダイバーシティーだ!。くるま用テレビアンテナと同じように2本のアンテナを切り替えてどちらか電波の強いほうを捕まえるようにすればいいのである。この
ために、PICのプログラムにアンテナコントロールを追加し、ダイオードスイッチでアンテナを切り替える回路を基板に追加した。
どちらか強いほうの電波を捕まえるためには、ADコンを使ってデジタルSメータを仕込まなければならない。そんなことをやっていたら、また基板の作り直し
になってしまう。というわけで、切り替えはある一定期間プロトコルコンバータが200ボーの入力に同期できない状態が続いたらアンテナをトグルするように
した。切り替えタイミングは少々かかるが十分実用になる。
できあがったので有頂天になりながら、バラックで は人に見せてもインパクトがないと思ったので、ケースにGPSと名のつくものはみんな詰め込んでみた。DGPS基板、ガーミン、光電となんでもござれであ る。
くるまに乗せて実験してみた。屋根の上に中波ダイバーシティー・バーアンテナとGPSアルミパッチアンテナを乗せて走っ てみた。
(走行データ、回路図、中波ビーコンのサウンド(WAV)などを ここにアップしてありま
す。最新のアップデートではありませんが、興味のある人はアクセスしてみてください。)